2017年10月12日木曜日

ロスト・イン・トランスレーション


☆☆☆★★    ソフィア・コッポラ   2004年

不思議に余韻の残る映画だ。
アメリカからCM撮影のために来日した俳優(ビル・マーレイ)
と、写真家の夫にくっついて来日し、毎日暇を持て余している
女の子(スカーレット・ヨハ ンソン)が、ふとしたことから
打ち解け、心を通わせるようになるが…。

新宿の高級ホテルで撮影されたという、外の雑踏とはまるで別
世界のような重厚な空間。それと歌舞伎町の猥雑な風景の対比
がとてもおもしろい、と外国人は思うんだろーけどよ、こちと
ら新宿の近所に住んでる俺には別にどうってことないね、と、
観ている間は思っていたのだが、何日か経つと不思議と映画の
中の風景が自分の中にしっかり根をおろして息づいているのが
分かる。ビル・マーレイの醒めた目で見渡した東京は寒色系の
トーンでまとめられてよそよそしいが、同時に奇異で滑稽で活
気がある。ラストの空撮が効果的である。

                                                    10.3(火) BSプレミアム


0 件のコメント:

コメントを投稿