2017年4月2日日曜日

仁義なき戦い 完結篇


☆☆☆★★★    深作欣二    1974年

土曜日、しかも仁義なき戦いの二本立てともなれば、
文芸坐はほぼ満員である。
「完結篇」は菅原文太(広能)と小林旭(武田)が
引退することで終止符が打たれる。それで無益な暴
力の応酬が終わるわけではないが。ある意味で寂し
い幕引きではある。

上映後には、脚本家の高田宏治さんのトークショーが
あった。高田さんは笠原和夫が降りてしまった「仁義
なき戦い」を引き継ぎ、この「完結篇」を書きあげた。
得るものも大きかったが、失ったものや批判もかなり
大きかったことが口ぶりからうかがえた。その辺の空
気感は後から生まれた者には想像するしかないわけだ
が、フィルムを観るかぎり、世間から逆風が吹くほど
悪い出来でもないように思える。シリーズを締めくく
るのに、「広能の引退」というのは無理のない着地だ
ろう。

             3.25(土) 新・文芸坐


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