2016年6月28日火曜日

レ・ミゼラブル


☆☆☆★     トム・フーパー   2012年

食わず嫌いせずに観てみた。
スクリーンではなく、自宅のテレビで観たことは最初
に断わっておく。

冒頭の、巨大な船を曳いている受刑者たちなど、映
像的なスケールの大きさやダイナミズムは大作映画
のそれであり、映画的愉悦という点では、良質なハリ
ウッド映画に劣るものではない。
ある意味リアリズムとは対極にあるものなのだから、
できるだけセリフを排除して、歌と映像で徹底的に映
画として盛り上がっていく姿勢は潔いものだろう。

リアリズムの対極にあるというのは例えば、「私は自
分がジャン・バルジャンだと名乗り出て無実の男を救
うべきだろうか、いやそれでは市長として積み上げて
きたものが無になる」……などなど、心情をすべて歌
で説明してくれる、みたいなことである。

それらをワンカットの役者の表情に託すのがリアリズ
ム映画だとすれば、私はやはりリアリズムに親しんで
きたし、そちらを好むものである。

                                            6.18(土) BSプレミアム


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