2015年10月13日火曜日

勝手にしやがれ!! 英雄計画


☆☆☆★     黒沢清     1996年

「勝手にしやがれ」シリーズを観るのは初めて。
なのにシリーズ最終作から観ることになってしまった。
哀川翔と前田耕陽のコンビが繰り広げる活劇のシリーズである。
ときどき絡む洞口依子と大杉漣の斡旋屋が良い味出している。

低予算・短期間を逆手にとった黒沢清らしいひねりの利いた演出
が魅力のシリーズらしいが、今回は寺島進演じる狂信的な青年
に二人が振り回される話で、意外にダーク。痛快ではない。
女優ウォッチャーとしては、二十歳そこそこの黒谷友香が出てい
るのが見逃せない。

                                                       9.30(水) シネマヴェーラ








<ツイート>
Eテレで「ニッポン戦後サブカルチャー史Ⅱ」が始まった。
第1回のテーマはなんと「女子高生」。これがすこぶる面白かった。
かゆい所に手が届く構成で、それこそ痛快だった。

女子高生の制服というのはフシギだなーと前々から思っていたのだ。
話は戦後どころか明治にまでさかのぼる。洋装を取り入れた「女子
の制服」は、女学校の誕生とともに既にあったのである。ただしその
時点ではセーラー服ではない。セーラー服は、はじめ福岡県のある
学校が採用し、それが評判となって全国に普及し、「女子高生といえ
ばセーラー服」のイメージが定着するほどになっていったというのだ。

そして限りなく怪しい(?)フィールドワークを通して1985年に『東京
女子高制服図鑑』をものした森伸行が登場。都内の高校の女子の
制服を、路上や電車で観察してはスケッチしていたというからこの人
は凄い。何かと紙一重である。しかも発表した当時は、赤瀬川原平
に師事する現役大学生だったというから驚きである。つまりフィール
ドワークは高校生のときから…。かなり危ない…いや知的に早熟な
高校生である。

女子高生というものの特殊性・特権性に、鋭く切り込んでいく番組だっ
た。『桃尻娘』のあとに、ちゃんと太宰の「女生徒」を紹介したのもグッド。


しかしツイートの方が長いね。

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