2015年9月5日土曜日

黒部の太陽


☆☆☆★         熊井啓        1968年

黒部ダムの建設に文字通り骨身を削って尽力した男たち
の姿を「骨太に」「重厚に」描く超大作映画。三船敏郎と石
原裕次郎、二大スターの共演で当時話題だったらしい。

工事は当然、困難に次ぐ困難が降りかかり、もうこれでき
ねぇんじゃね、という空気が現場にも漂い、士気は下がり
まくっていた。掘れば掘るほど、水が噴き出してきて作業
員が流されるし、補強材も壊れる。補強材が壊れる直前
のミシミシいう音が恐い。

本作とか『八甲田山』とか、昔はこうやって凄まじい製作費
をかけて、大物俳優にも尋常ではない肉体的な負担を強
いて、それでも大赤字という話は聞かないのでちゃんと元
が取れていたのだろう。斜陽斜陽と言われながらも、それ
だけ多くのひとが劇場に足を運んだということだ。

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