2015年9月3日木曜日

この国の空


☆☆☆★★       荒井晴彦        2015年

茨木のり子の「わたしが一番きれいだったとき」を、戦時下
に生きた二十歳の女の子(二階堂ふみ)に重ねたその企み
はナイスである。
荒井晴彦の脚本はさすがに巧みで、隣に住む、妻子を疎開
させた男(長谷川博己)と関係を結ぶのは分かっているのに、
うまく焦らすというかかわすというか……。そうやってじりじり
しながら待っていると、川辺での工藤夕貴のセリフに驚くこと
になる。

二階堂ふみはなんだか変わった喋り方をしていたが、小津や
成瀬を観て自分なりに昔の女の子の喋り方を研究したらしい。
ふーん。彼女もけっこうなシネフィルなんだよね。末恐ろしいわ。

そしてとてもナイトシーンの多い映画だった。
照明さんお疲れ様です。

                                                     8.24(月) テアトル新宿


0 件のコメント:

コメントを投稿