2015年7月17日金曜日

梅雨の読書②


『もういちど村上春樹にご用心』
内田樹 著       文春文庫

「解釈病」を自称するウチダ先生が、村上春樹についてブログ
や雑誌に書いた文章を集めた本。読んだことある文章もいくつ
かあったが、通して一気に読むと、発表される小説に毎回触発
されて考えが変化・深化していくさまも読み取れ、なかなかおも
しろい。

文庫化に際して『女のいない男たち』の評論が新たに収録され
ていて、オトクである。やっぱりあらためて、あの短篇集の中で
「木野」が飛びぬけているような気がいまはしている。あるいは
あの短篇をもとに長篇を構想中ってことも、ある……ないか。









『督促OL 修行日記』
榎本まみ 著      文春文庫

入社早々、クレジットカードの支払い督促の部署に配属された
うら若き著者による、日々襲い来るすさまじくタフな業務の連続
に、どのように対処したかをつづったブログが元になっているら
しい。解説ではまさかの佐藤優が激賞。

客からは罵倒され、営業目標で精神的に追い詰められ、時間が
合わなくなって彼氏とは別れ、顔には謎のブツブツが出来……。
苛酷である。

しかし榎本さんの書きぶりがわりと能天気というか明るいので、
読んでる方はおもしろく読むことができる。




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