2015年7月28日火曜日

トゥモロー・ワールド


☆☆☆★★      アルフォンソ・キュアロン    2006年

映画はある人物の死を悼むニュースで幕を開ける。世界中が
彼の死を悼み、悲嘆に暮れる様子を写し出している。それは
人類最年少、18歳の青年の死を告げるニュースである。
つまりこの映画の「現在」とは、新しく子どもが生まれることが
なくなってから、18年が経過した世界なのである。

近未来SF、と分類される映画だろう。ふだん私はこのジャンル
にはあまり近づかない。単純に、「おもしろい!」と膝を打つ作
品が少ない気がするから、なんとなく惹かれないのだ。

この映画は、アルフォンソ・キュアロンだから観た。
……これがすごかった。いやマジで。
企み、ストーリー、技術的な完成度、どれをとっても一級品で
ある。陶然としながら、最後まで観た。特筆すべきはやはり、
終盤の戦闘シーンだろう。このワンカメ・ショーには興奮した。

ただこういうディストピアものって、観ていて良い気分になれ
ないので、いまひとつ点数が低いのである。これでスカッとす
る映画なら素晴らしいのになぁ。
『ゼロ・グラビティ』も観なくては。酔うかも、とか言ってる場合
じゃないな。

                                                     7.22(水) BSプレミアム


0 件のコメント:

コメントを投稿