2015年5月17日日曜日

私の少女


☆☆☆★★       チョン・ジュリ       2015年

恋愛問題で左遷されたエリート警官(ペ・ドゥナ)が、田舎に
引っ越してくる場面から始まる。うまく眠れずに新居の近くの
夜道を散歩しているとき、親に虐待されている少女を見かけ
る。やがて少女は夏休みの間だけペ・ドゥナの家に引き取ら
れることになるが……。

終始、重苦しい映画だが、とりあえずペ・ドゥナの警官コスプ
レがめちゃくちゃ可愛い。こんな警官ならぜひ逮捕・尋問され
たいところというのは冗談だが、映画を観ると次第にわかって
くるけど相当な闇を抱えた人物として描かれる。さらに、虐待
されている少女もこれまた屈折した人格に成長してしまってい
て、この両者が、表面上は保護する者・される者でありながら、
至るところ微妙な「ねじれ」が生じてしまっている様など、なか
なかに鋭くえぐっている秀作である。初監督作とは思えない。

韓国の漁師町の閉鎖的な空間、警察という縦割りの組織、そ
こで闇を抱えながらも多量のアルコールで紛らわし、クールに
職務をこなすペ・ドゥナ。こういうのにグッとくるひとは観るとい
いかもしれない。私はポスターのペ・ドゥナの警官姿だけでもう
相当グッと来たので、どんな話かも知らずに観に行った。まあ
結果的には当たりだった。

これからちゃんとペ・ドゥナの出演作をさかのぼって観ようかな、
と思うぐらい可愛かったなー。常盤貴子に能年玲奈をあわせた
ような感じ……。

                                                      5.10(日) ユーロスペース


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