2014年6月28日土曜日

フィールド・オブ・ドリームス


☆☆☆★    フィル・アルデン・ロビンソン    1990年

「それを造れば、奴が来る」
ということで、『あまちゃん』にもチラッと出て来た有名な
映画である。

いかにもアメリカ映画なおおらかな感じで、いいんじゃな
いでしょうか。

                                                     6.19(木) BSプレミアム


2014年6月27日金曜日

キャスト・アウェイ


☆☆☆★       ロバート・ゼメキス       2001年


もし漂流して無人島に流れ着いたら…というのは昔から物語
作者の想像を刺激してきた題材ではあるが、それはやはり
その物語を享受する我々にとっても同じだからだろうか。「俺
だったらどうするかな」と考えてしまいますよね。

本作はその話型をハリウッドがビッグバジェットで映画にしたら
どうなるかというもので、主演はトム・ハンクス。「そう都合よく
行くかよ」と言いたくなるシーンもあるが、まあそんなことを言い
出したら映画にならない。

帰還してからが長いね。帰還後は全部要らないぐらいだ。

                                                          6.18(水) BSプレミアム


2014年6月25日水曜日

私の男


☆☆☆★★         熊切和嘉         2014年


原作がどうなっているのかは知らないが、こんなむちゃくちゃな話を、
ちゃんと観られる映画にするのは、すごいことだ。『海炭市叙景』、
『夏の終り』、そして本作ということになる。本当に実力のあるひとな
のだ。『夏の終り』がいまいちだったのは綾野剛のせいということに
しておこう。

浅野忠信と二階堂ふみ、父と娘の近親相姦という話なのだが、二
階堂ふみの魔性っぷりは、もうエライことになっていた。まだ19歳
やで…。撮影時は18歳だとか。絶句するのみ。
新井浩文と付き合ってるらしいが、羨ましいというよりはむしろ新井
さん大丈夫なんだろうか…。そういう余計な心配をしてしまう程であ
る。

                                                          6.15(日) イオンシネマ釧路


2014年6月24日火曜日

シンシナティ・キッド


☆☆☆★       ノーマン・ジュイソン     1965年


賭けポーカーを題材にしたスティーブ・マックイーンの主演作。
彼の出世作とのことである。私はそれほどマックイーン好きと
いうわけではないが、職場の先輩がマックイーン大好きで、
やはり身近にそういうひとがいるとどうしても影響を受ける。

話は単純そのものだが、最後はハラハラさせられた。

                                                      6.14(土) BSプレミアム


2014年6月23日月曜日

海炭市叙景


☆☆☆★★           熊切和嘉          2010年


観終わった後も、じわじわと「効いてくる」秀作だった。
これだけゆったりしたテンポで、さほどセンセーショナルとは言え
ない短篇をつなぎ合わせた映画なのに、気が付くとしっかりと映画
の中に惹き込まれていた。「海炭市」に生きる普通のひとびとの
物語が、自分の中を確かに通り抜けて行った感触のようなものが
いまでも残っている。良い映画だった。

『私の男』の予習ということで観たわけです。いやが応にも期待が
高まってしまいますなー。

                                                                  6.13(金) DVD


2014年6月22日日曜日

狼たちの午後


☆☆☆★★        シドニー・ルメット      1976年

銀行強盗と人質が、徐々に心を通わせていくという話。
当時のアメリカの社会背景がふんだんに織り込まれており、ディ
テイルがよく出来ていて、舞台にもできるぐらいの「密室劇」だが
飽きさせない。

アル・パチーノが「いちおう」頭のキレる、しかしわりあいお人好し
の強盗を好演。汗まみれだがカッコいい。

ひとつ映画の核心に関わることで分からないシーンがあったのだ
けれど、誰か教えてくれないだろうか。下にうすーい字で書いてお
きます。

結局、アル・パチーノはFBIとの取引に「応じた」ということでいいの
でしょうか? 交渉を終えて銀行に戻るとき、FBIの偉そうな奴に小
さくうなづいてみせるカットがあったのが気になっています。

                                                              6.10(火) BSプレミアム


2014年6月21日土曜日

男はつらいよ 寅次郎頑張れ!


☆☆☆★          山田洋次        1977年

シリーズ第20作。
マドンナは藤村志保なのだが、中村雅俊演じる恋する青年に
寅さんが恋のアドバイスをするという、第1作に似た感じになっ
ている。青年が恋する食堂の娘を演じるのは大竹しのぶ。

                                                              6.7(土) BS JAPAN


2014年6月20日金曜日

男はつらいよ 葛飾立志篇


☆☆☆★        山田洋次        1975年

シリーズ第16作。
寅さんが学問に目覚め、まず形からとメガネをかけて勉学に
勤しむ態勢だけは整えるものの…という回。
マドンナは樫山文枝。桜田淳子も出ている。

                                                          6.5(木) BS JAPAN




2014年6月18日水曜日

青天の霹靂


☆☆☆            劇団ひとり          2014年


至極まっとうな映画に思えた。破綻がないようによく練られて
あるし、行儀の良い演出で丁寧に撮られている。

個人的な好みでいえば、ラストの辻褄合わせのために映画の
すべてが収束していくのではなく、「途中」もおもしろくあってほ
しいのだが。内田けんじと比べるのは酷かもしれないが、あっ
ちは「途中」もべらぼうにおもしろいんだよなー。

                                                    6.4(水) イオンシネマ釧路


2014年6月17日火曜日

ぼくたちの家族


☆☆☆★★★       石井裕也       2014年

余勢を駆って石井裕也の新作も鑑賞。
すでに巨匠の風格さえただよう秀作となっていて驚いた。この緩急
自在の脚本と演出は何なんだ。すごいじゃないか。『ハラがコレな
んで』だけどうしてあんなに失敗だったのか、今もって不思議である。

原田美枝子のいろんな表情、セリフが頭から離れない。
母親の脳腫瘍が契機となって、バラバラだった家族がまとまり始め
るのだが…という話で、全編にわたって「病」が家族に重くのしかか
る。ただ明らかに当の病人である原田美枝子のキャラクターが「救
い」となっていて、言ってみればそこが映画の「肝」である。素晴らし
い演技を堪能した。

                                                  6.2(月) シネマフロンティア札幌


2014年6月15日日曜日

インサイド・ルーウィン・ディヴィス


☆☆☆★      ジョエル・コーエン、イーサン・コーエン      2014年

「名もなき男の歌」というサブタイトル。実在したフォークシンガーを
モデルにしているとのこと。

札幌に来てライブだけ観て帰るのももったいないので、コーエン兄弟
の新作を観る。売れないフォークシンガーの話なのだが、特に反骨
精神が溢れていたり音楽に身も心も捧げ尽くしているわけでもないの
がコーエン兄弟らしいところ。
そして猫がたくさん出てくる。猫映画とあっては、きっと春樹も観たに
違いない。

ストレート黒髪のキャリー・マリガンも、見慣れてくると可愛い。

                                                                     6.2(月) シアターキノ


2014年6月14日土曜日

【LIVE!】 THE BACK HORN


KYO-MEIワンマンツアー ~暁のファンファーレ~

ツアーは続いているので、セトリは控えることとする。
「リヴスコール」のときよりはアルバムをちゃんと予習して行った。
「暁のファンファーレ」というのが最新アルバムだが、けっこう良い。

サッポロファクトリーに隣接した「サッポロファクトリーホール」には
初めて行った。小綺麗なホール。

MCではまたラーメン屋の話。いっつも前日食ったラーメンの話なの
だが、他にネタが無いのか…。

                                           6.1(日) サッポロファクトリーホール


2014年6月12日木曜日

時をかける少女


☆☆☆★         大林宣彦        1983年


言わずと知れた「タイムスリップもの」の元祖というか人気作で、
私がこれまで観たものだけでも、仲里依紗版や細田守のアニメ
版がある。

原田知世という美少女の輝かしい一瞬をフィルムに封じ込めた、
非常に「正しい青春映画」だと思う。エンドロールのPV風映像が
おもしろい。

                                                           5.28(水) BSプレミアム


2014年6月9日月曜日

それでも夜は明ける


☆☆☆★      スティーヴ・マックィーン      2014年


アカデミー作品賞である。前評判によると、ひたすら奴隷の
苦しみが続いて(なんせ12年)あまりに救いが無い、という
話だったのでせっかく釧路でやってるけど観るつもりは全然
なかった。そういう映画も大事だと思うが、やはり『ジャンゴ
繋がれざるもの』のように、「最後は奴隷をいじめた白人を
皆殺し」みたいな映画が好きである。

さて、後輩が観るというので付いて行った。そしてほんとに
前評判どおりの映画であった。アメリカ南部の黒人奴隷た
ちの「事実に基づいた話」ということらしいが、奴隷たちの
「悲哀」なんて生易しいものではなく、彼らの苦痛や、呻き、
絶望、無気力が、息苦しいほどにビシビシと伝わってくる。
これを観たあとに『リンカーン』を観れば、奴隷解放の憲法
修正が成ったときの喜びひとしおであろう。

                                                   5.26(月) イオンシネマ釧路


2014年6月8日日曜日

野のなななのか


☆☆☆★         大林宣彦        2014年

北海道は芦別を舞台とした、大林宣彦御大の意欲作。「意欲
作」と書いたのは別にヨイショとかではなく字義通りであって、
芦別の友人に乞われて実現した映画というエピソードから、
観光ビデオに毛が生えたようなものを想像していたら本当に
ぶっ飛ばされる。

3時間あるのだが、中原中也『山羊の歌』を随所にちりばめな
がら、過去と現在が混じり合うまではいいとして、死者は喋る
わ常盤貴子が自動ドアのそばを通っても開かないわ楽隊は所
かまわず練り歩くわ北海道における敗戦やら芦別の負の歴史
にばっちり焦点は合わせるわで、もうやりたい放題手がつけら
れない。とがってるなー、大林宣彦。長岡の花火の映画撮った
からって油断してた。

                                                    5.25(日) イオンシネマ釧路


2014年6月7日土曜日

オンリー・ラヴァーズ・レフト・アライヴ


☆☆☆        ジム・ジャームッシュ      2013年

昨今は、ヴァンパイアもただ無作為に無辜の市民を襲って血を
吸って道端に捨てておけばいい時代ではないらしく、先方もいろ
いろとご苦労が絶えないようだ。血は病院に忍び込んで医師か
ら金で買わなくてはならないし、それには当然リスクがともなう。
厄介な親族にも振り回される。昼はもちろん出歩けないし、飛行
機に乗る時はわざわざ「出発地も到着地も夜」になるように乗継
ぎなど工夫しなくてはならない。面倒なことばかりだ。

着想はおもしろいとは思うが、どうもみみっちいというか、せせこ
ましい感じが否めない。
ラストはなかなかいいが。

                                                          5.14(水) 早稲田松竹


2014年6月5日木曜日

オンリー・ゴッド


☆☆★★      ニコラス・ウィンディング・レフン    2013年

『ドライヴ』が秀作だったので期待していたが…。
うーん、いったい何なんだ。過剰なバイオレンス描写も、殺し屋
じゃん!とつっこみたくなる正義の(?)警官もなかなか良いが、
それがどこにも結び付いていかないのにはやっぱりイライラする。

それにしてもあんなに堂々と微塵の迷いもなく犯罪者を殺してい
く警官というのも珍しい。アレ、逮捕とか裁判って、しなくてもいい
んだったっけ? という感じ。

                                                               5.14(水) 早稲田松竹


2014年6月4日水曜日

ブルージャスミン


☆☆☆★★       ウディ・アレン       2014年

ひさびさのシリアス路線。『夢と犯罪』以来ということになるか。
ところどころ笑えるのだが、基本的にはプライドの高い女(ケ
イト・ブランシェット様!)がセレブ生活から破滅してゆく物語
である。

週刊文春のコラムで小林信彦先生は、「ウディ・アレンは実は
喜劇がうまくない」という衝撃のご宣託をなさっていたが、そ、
それは言い過ぎじゃ…とは思うものの、本作の「笑い」以外の
部分が非常に冴えわたっているのは感じる。サンフランシスコ
を舞台にした名作映画は多いけれど、またひとつ仲間入りとい
うことでいいと思う。

この映画は『欲望という名の電車』を下敷きにしてるらしい。
恥ずかしいから小声で言うが、実は戯曲も映画も未見である。

                                                 5.13(火) Bunkamura ル・シネマ


2014年6月2日月曜日

コクリコ坂から


☆☆☆★★★       宮崎吾朗         2011年

私はこの映画、好きで好きでしょうがないのだが、世間的にはどう
なんでしょう。どうも、あまり名作という認識はされていなさそうだ。
カルチェラタンが壊されようが残ろうがどうでもいい? そもそも話
が暗い? 寮を切り盛りしてご飯を作って、お母さんはアメリカに
研究で行ってて居なくて、勉強はちゃんとして、しっかり恋もして、
毎朝お父さんを想って旗を上げてって、そんな女子高生いるわけ
ない? 近親相姦的なモチーフに違和感がある? 最後いちおう
解決はするけどスッキリしない? 長澤まさみの顔が浮かんじゃっ
て集中できない?

うーん。そうかなぁ。別に反論する気はありませんが、そんなこと
全部どーだっていいくらい、美しい青春映画だと私は思っています。

                                                              5.11(日) Blu-ray Disc