2014年5月31日土曜日

芥川賞、久しぶりに②


「きことわ」
朝吹真理子 著

こういうのが「書けちゃう」女の子ってやっぱ一定数いるんすよね。
その一定数の中でも飛びぬけてクオリティの高いひとは、芥川賞
でさえもサラリと獲ってしまうという。げに才能とは。なむなむ。

親戚にフランス文学者がごろごろいるというのはいったいどういう
気分なのだろうか。いちばん有名なのは(というか唯一わたしが
知っているのは)サガンの翻訳者の朝吹登水子だろう。大叔母に
あたるらしい。

時間と記憶の描き方なんかはもう巧いとしか言いようがないが、ム
カデに対する対応の違いとかで「きこちゃん」「とわちゃん」のキャラ
クターも巧く描き出していて、要は巧いのであった。


「終の住処」
磯﨑憲一郎 著

えーと、何なのでしょう、この小説は。
どこら辺が評価されて受賞に至ったのか選評を読んでいないので
知らないが、私にはたいへんレベルの低い小説にしか思えなかっ
た。私が文学賞の下読みのバイトだったら、まず上には上げない
が…。不思議だ。

と不思議に思っていたら巻末解説がなんと蓮実重彦。ハスミン…。
読んでみたが、なんだか変な理屈をこねくりまわした内容空疎な解
説だった。ほんとにこの小説を良いと思ってんのかね。


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