2014年2月24日月曜日

厳冬の読書


しばらく家を空けていたのだが、「なぞの転校生」が2回も録れて
いなかった。大ショック…。ソチ五輪で放送時間が微妙に変わった
せいだろう。ちくしょう。五輪なんか興味ないんだ、岩井俊二の方
がずっと大事なんだ。

以上、今日のツイートでした。


『笑いと忘却の書』
ミラン・クンデラ 著   集英社文庫

帯のコメントがなんと広末涼子。
広末が読んでるのに…ということで、意地になって読む。

亡命作家はやっぱそれだけで既にドラマがあるよね。作家の人生
も「込み」で作品がある、という感じ。ナボコフもそうだが。
軽妙な文体で、なかなかおもしろかった。
しかし2年後にはどんな小説だったかまったく思い出せないと思う。










『取り替え子(チェンジリング)』
大江健三郎 著    講談社文庫

伊丹十三の自死を、かなり正面から取り上げて作品化した小説
といえるだろう。
「滑稽な木車に乗せられて『蹶起』し、無惨にも殺される父親」と
いう、大江作品に何度か出て来るイメージがここでも登場する。
「蹶起」の目的地はいずれも「大内山」であり、文脈から察するに
それは「皇居」のことのようだが、初めて聞いた言葉。

…こういうときすぐにググッてしまうのが、現代っ子の夢がない所
だが、果たして「大内山(おほうちやま)」とは皇居のことなので
あった。

大江健三郎は、東大図書館で隣のひとが開いたまま席を立った
本をちらりと覗いたときに目に入った文章に感銘を受け、しかし
本に触れて書名を確かめることはできず、それがずっと心に引っ
掛かったまま、後年、ある英詩を読んでいるときに「こ、これはあ
の時の文体!」とピンと来て読み進めるとほんとにその時の一節
があった、というひとなのである。「覗き見までしたんだから本裏返
して書名を見ろよ!」とか突っ込むのは簡単であるが、私はこうい
う話がけっこう好きである。
ちなみにその詩人とはウィリアム・ブレイク。『四つのゾア』という本
らしいです。

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