2014年1月15日水曜日

年始の読書


『何が映画を走らせるのか?』
山田宏一 著    草思社

何を読んでも面白いという意味で、高島俊男さんと双璧をなす
と最近思っている山田宏一。
中でも「映画批評なにするものぞ?」と題されたエッセイは痛烈
である。のんきに映画評論のブログなんか書いて、私的年間
ベストテンなんぞ発表して悦に入ってる輩には、ぜひ一読をオ
ススメしたい。俺のことだけど。









「木野」
村上春樹 著    文藝春秋2月号

「女のいない男たち」の3作目。また立ち読みです。

青山、根津美術館の裏にひっそりとあるバー。古いジャズ、
寡黙なマスター、灰色の毛の猫。村上春樹のもっとも得意
とする世界だね。そしてたいていの春樹ファンはこの世界が
好きだと思う。もちろん私も例外ではない。
雨の夜、客が扉を開けて入って来ると雨の匂いも店の中に
入って来る、という描写がとても好きだ。『国境の南、太陽の
西』にもそんな描写があったし、他にもあった気がする。きっ
と春樹もこの表現が好きなんだろうと勝手に思う。

今回はそういう(ジャズ、猫、妻の浮気)「いかにも」な感じで
始まり、徐々に空間がねじれていくような、非常に不気味な
話である。読みながらなんとなく『マルホランド・ドライブ』を
思い出した。全然話は違うんだけど。


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