2014年1月2日木曜日

ベストテン2013 <新作>


1. 風立ちぬ   宮崎駿
ファンタジーを封印した宮崎駿は、羽をもがれた鳥の
ように失速せざるを得ないのかと危惧したが、蓋を開
けてみれば若々しい傑作。途中ダレる部分もあったも
のの、やはり圧倒的だった。

2. ジャンゴ 繋がれざるもの  Q.タランティーノ
最も新作を楽しみにしている監督のひとり、タランティーノ。
期待を裏切らない快作だった。ディカプリオの迫力が忘れ
られない。

3. 東京家族   山田洋次
ウェットだけどやっぱり好きなんだー! 若者2人(妻
夫木くんと蒼井優)が好印象。爽やかで良い。もっとも、
好印象を抱かざるを得ないストーリーなんだけどね。

4. リンカーン  S.スピルバーグ
アメリカ映画の「強さ」を象徴するような1本だった。
映像、音響、俳優もそうだが、やはりシナリオ。重厚で、
すでに"名画の風格"が漂っていた。

5. ムーンライズ・キングダム  W.アンダーソン
日本では生まれ得ないタイプの映画。構図、セリフ、ディテ
イル、すべてが見事にシュールで可愛らしい。

6. 世界にひとつのプレイブック  D.ラッセル
キャラクターの魅力で引っ張ってゆくラブストーリーで、
飽きなかった。ジェニファー・ローレンス。「ハンガー・
ゲーム」よりコッチですよ(観てないけど)。

7. 地獄でなぜ悪い  園子温
二階堂ふみになら殺されてもいいかも。
そんな気分にさせられるバカムービーの傑作!

8. ホーリー・モーターズ  L.カラックス
映画は「体験」するものですね。こういう映画を体験
すると、つくづくそう思う。説明不能。とにかく観てください。

9. 横道世之介   沖田修一
小説はいまひとつに感じたが、映画は良作だと思った。
何かと使いどころの難しそうな吉高由里子だが、こうい
う役が意外に合ってるのでは。朝ドラでもぜひ。

10. 許されざる者   李相日
「映画観たわー」という充足感が今年随一だった。役者陣
も好演していて、風格という意味では邦画でいちばんか。

次点  TED  S.マクファーレン
しゃべるクマのぬいぐるみ。放送禁止用語を連発し、
家にデリヘルを呼ぶ。バカムービーの佳作!


<講評>
結局、☆☆☆☆(80点)以上の作品は今年はなく、その意味では
豊作の年ではなかったのだろう。宮崎駿に山田洋次にタランティ
ーノ、もとから愛好してやまないベテラン勢が期待通りの良作を
届けてくれた、という感じか。
「舟を編む」「もらとりあむタマ子」「ゼロ・ダーク・サーティ」も良かっ
たけどね。まあ、いずれも名の通った監督たちだから、また次回。
「共喰い」を観れたら、どの程度まで食い込んできたか、それだけ
は気がかりである。

■ 観た新作映画
東京家族、きいろいゾウ、脳男、TED、フライト、横道世之介、ジャンゴ 繋がれざるもの、舟を編む、リンカーン、中学生円山、ホーリー・モーターズ、リアル~完全なる首長竜の日~、ゼロ・ダーク・サーティ、華麗なるギャツビー、世界にひとつのプレイブック、スプリング・ブレイカーズ、ムーンライズ・キングダム、風立ちぬ、風立ちぬ(おかわり)、フラッシュバック・メモリーズ(2D)、許されざる者、そして父になる、さよなら渓谷、地獄でなぜ悪い、中島みゆき 『夜会VOL.17 2/2』 劇場版、悪の法則、夏の終り、かぐや姫の物語、キャリー、夢と狂気の王国、もらとりあむタマ子(31本)

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