2013年12月18日水曜日

年末の読書

『新樹の言葉』
太宰治 著      新潮文庫

「葉桜と魔笛」という短篇、タイトルだけは前から知っていて、
そのどことなく甘美な響きからどんな短篇なんだろうとあれ
これ想像してはいたのだが、良い短篇ですねぇ。巷にあふれ
ている難病ものの映画なんかよりずっと切なく胸が締めつけ
られるようである。

他にも「花燭」「新樹の言葉」「愛と美について」「誰も知らぬ」
など。「愛と美について」なんて、どんだけ巧いんだあんた!
と詰め寄りたいぐらい巧い。そして「春の盗賊」には爆笑。
泥棒相手に説教する話なのだが、最高。









「イエスタデイ」
村上春樹 著     文藝春秋新年号

「女のいない男たち2」というサブタイトルは、これが連作短篇
であることを意味していよう。ヘミングウェイに同じタイトルの
短篇集があるのですね。知らなかった。

今回は、「イエスタデイ」に関西弁の歌詞をあてて風呂場で歌
う男の話である。やはり三人称でリアリズム。2作目も良い感
じ。この路線、けっこう好きかも。

また立ち読みで済ませてしまった。
実は週刊文春、ちかごろの中国・韓国への攻撃的・挑発的な
記事に嫌気がさして買っていない。低級な雑誌に成り下がった
感が否めないので、しばらく買い控えることにする。しかしたく
さん読んでいるコラムがあるので、仕方がないからぜんぶ立ち
読みしている。すごく時間がかかる。でも買うのは癪だからしょう
がない。

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