2013年11月6日水曜日

秋の読書③


『パン屋再襲撃
村上春樹 著    文春文庫

帯広からの帰りであった。
カバンの中に電車で読むものが何も無いことに気付いて
恐慌に襲われ、街の本屋でいろいろ迷った末に、なぜか
『パン屋再襲撃』に落ち着いた。「ファミリー・アフェア」が
大好きなのと、「象の消滅」をもっかい読みたかったから。

しかし「ファミリー・アフェア」はなんで読んでてこんなに楽し
いんだろう。春樹も楽しんで書いているのが伝わってくる
からか。










『きりぎりす』
太宰治 著    新潮文庫

読んでないやつならなんでもいいやと、適当に選んだわけだ
が、本作には太宰が得意とした「女性の告白体」の小説が
多く収められている。有名な「女生徒」は入っていないけれど。

いやぁ、堪能しました。お見事。どれもよかったなー。
特に選ぶなら「皮膚と心」「千代女」かな。「善蔵を思ふ」も、
最初と最後のバラのエピソードが印象に残る。「畜犬談」も
可笑しい。最後は、ぞっとするような「水仙」と「日の出前」で
締めくくられている。あんまりおもしろいもんだから、あっと
いう間に読み終わってしまった。

しかし、かなづかいが気になる。
全集以外で、正かなづかいで太宰が読める本は無いのかな。



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