2013年11月2日土曜日

秋の読書②


『「自分の子どもが殺されても同じことが言えるのか」
と叫ぶ人に訊きたい』
 正義という共同幻想がもたらす本当の危機

森達也 著    ダイヤモンド社

タイトルに引っかかった。
森さんが何を「訊きたい」のかが気になって買ったようなものだ。

森さんは繰り返し繰り返し、眼前の状況について、ちょっと立ち
止まって考えてみようよと呼びかける。想像してみよう、と。
「考えたんだけど、自分にはこれが正論にしか思えないのだ」
ということを何度も何度も書く。正直、まとめて読むと同じ話が
多いことが分かるのだが、そこは力業というか、最後にはきちん
と落とし前をつけてくるのである。











『世界クッキー
川上未映子 著    文春文庫

週刊新潮の「オモロマンティック・ボム!」は相変わらず毎週
楽しんで読んでいるが、あれとはけっこう文章が違う気がする。
敢えて書き分けているのだろうか。
川上さんの文章をまとめて読んでみると、意外なほどに太宰治
の影響がうかがえる。言葉のはしばしに。擬音の使い方に。
吹き出してしまうような箇所が特に太宰的であることに気付く。

そしていまわたしは太宰を読んでいるのだった。
相変わらずの影響されやすさ。

0 件のコメント:

コメントを投稿