2012年8月17日金曜日

好人好日


☆☆☆★★           渋谷実           1961年   

笠智衆がお父さん、淡島千景がお母さん、年頃の娘が岩下志麻
という"万全の布陣"で、まるで小津のお株を奪うかのような「娘の
結婚をめぐる騒動」が描かれる。ただ、笠智衆のキャラクターが
偏屈な数学者という設定なので、小津映画とはだいぶ趣きは違う。
どうってことない話なのだが、物語のゆるさが心地よく、気分よく観
ることができた。画面がキレイだった。どうも八十年代、九十年代の
邦画よりも、このぐらいの頃のほうが画面がキレイな気がするのだ
が、なぜなんだろう。

引き続き女優ウォッチャーとして、この作品の岩下志麻を評させて
もらえば、この頃の岩下志麻は無敵のかわいさである。参るわ。
浴衣を着てはしゃいでいるシーンのいじらしいこと!
しかし、淡島千景はどんな役でもはまりますな。水商売の女を演じ
ればそうとしか見えないし、この映画のような貞淑な妻の役も、ほん
のり色気があってこれまた良い。

                                                              8.4(土)  BSプレミアム


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