2011年9月16日金曜日

花と爆弾 [人生は五十一から⑥]


小林信彦 著    文春文庫

最初に週刊文春を読みだしたのは、高島俊男さんの「お言葉
ですが…」が読みたいからだった。まさに珠玉のコラムだった
と、今でも何の躊躇もなく言える。しかし連載は終わってしまい、
次に颯爽と現れたのは大宮エリーの「生きるコント」だった。
高島さんのコラムとは毛色が全然違うが、けっこうおもしろくて
二年(だっけ)にわたった連載はリアルタイムで読んだ。しかし
高島さんの連載が終わってしまった喪失感は大きく、文春は
「原色美女図鑑」で買うかどうかを判断するような申し訳ない
感じになった。お天道様に顔向けできない。
そして「生きるコント」も終わってしまい、いよいよ文春を買う理
由がなくなったかといえば、実はいまは毎週のように買ってい
るのである。
それは、小林信彦の「本音を申せば」がおもしろくなってきたせ
いで、この連載を読むのが毎週の楽しみになっている。もう二
十年近くやっている連載なので、昨日今日おもしろくなったわけ
ではない、もちろん。私が小林さんの文章のリズムの精妙さに
徐々に気付き始めたからだと思う。噛み締めながら読んでます、
毎週。


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