2011年8月5日金曜日

おおきなかぶ、むずかしいアボカド

村上春樹 著    マガジンハウス

もともと雑誌連載だからと思って、あまり一気に何編も読まない
よう自制することにした。おやつの量を制限される子どものよう
に、「一日三編まで」と決めて少しずつ読んだ。おかげでえらく時
間がかかったが、もちろん発売と同時に買って読み始めてまし
たんで、そこんとこはご心配なく。誰も心配してないと思うけど。

このブログでは村上春樹を「日本でいちばん文章のうまいひと」
と認定しているので、そういうつもりでお願いします。
『1Q84』でもよくやったことなのだが、文章中の接続詞など(「あ
るいは」とか)を、春樹が置いたのとは別の場所に移動させてみ
て文章を検討する。文頭にもってきたり、文節ひとつだけずらし
てみたりして、やっぱり春樹の置いた「あるいは」の位置がもっと
も味わい深い、いいなと納得して先へ読み進む。春樹の文章を
読むときはそういうことも時々ですがやっておるわけです。
こっちの「あるいは」の位置のほうがよくね? ということはまだ
一度も無い。おおげさじゃなく、一語たりとゆるがせにできない
わけである。ほんまたいした男やで、春樹はんは。

「anan」の連載はまだ継続中とのこと。もう一冊できるんだろうか。
楽しみ。

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