2011年7月10日日曜日

さや侍

☆☆★★       松本人志      2011年

平日休みだったので観に行ったら、また客ひとりだったぜ!
釧路は油断するとすぐこうだからな。17万の人口に映画館
ひとつなのに、なぜなんだ…。
ひとりで王様みたいな格好で観るのも愉快だけど、映画は
やっぱ「満員の劇場で、真ん中後ろ目の良い席で、自分の
両隣だけ空いてる」というのが理想である。小林信彦はハリ
ウッドの大作映画は、新宿ミラノ(だったかな)の巨大空間で、
大勢と一緒に観ることに決めてるらしいけど、いつもガラガラ
の劇場でばかり観ていると、たまにそういう状態がなつかしく
なる。つくづく人間って無いものねだりだね。
しかし、まわりの反応も含めて映画である、というのは確かで、
去年ベスト1に選んだ『川の底からこんにちは』はユーロスペー
スで公開初日に観たのだけど、映画自体がおもしろかったの
は確かであるにしても、観客みんなが遠慮会釈なしの爆笑で、
なんだかその空間自体がとても嬉しい感じのものだったわけ
で。映画の内容とともに、その爆笑の渦であった劇場内の記
憶もセットであるわけで。だから、あまりDVDを借りて観る気に
いまの所ならないわけだが、まあ何が言いたいかというと、こ
の「さや侍」なのだが、これは劇場でぽつんと独りで観る映画
じゃなかったな、ということだね、まず気付いたのは。喜劇なん
で、まあ、たまに笑うわけですが、「ハハハ」という乾いた笑い
が誰も居ない劇場の壁に吸い込まれていくんだね。こういう観
られ方は松ちゃんも想定してないんじゃなかろうか。
それで肝心の中身だけど、やっぱりクスクス笑いの域を出ない
のである。トークと映画はそりゃあ違うだろうけど、なんだか松
ちゃんが作ったにしては、おとなしい気がしてしまう。トークにお
けるその天才ぶりをよーく知ってるがゆえに。

                               7.8(金) ワーナーマイカルシネマズ釧路

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