2011年7月29日金曜日

摩周湖

今度の日曜日、NHKスペシャルで「摩周湖」をやります。
かなり良い番組になってるらしいので、ぜひご覧ください。
私も楽しみにしています。

http://www.nhk.or.jp/special/onair/110731.html

2011年7月28日木曜日

ゲド戦記

☆☆★★★     宮崎吾朗      2006年

意味はよく分かってないのに覚えてしまった言葉で「神は
細部に宿る」というのがあるけれども、その言い回しにな
らって評すれば「細部に神が宿ってない」作品ということ
になろうか。物足りないね、たしかに。

人間界にはいないはずの竜が嵐の中に現れる幕開けの
シーンから、物語は急ぎ足で先に進んでゆくのだけど、
どうも駆動力に欠けるというか、要所でワクワクしてこない
のはなぜなんだろう。物語は「必然」によって前に進めて
いかなくてはならないけども、時にはその「必然」さえも軽
く飛び越えてみせる身振りが欲しい、…ちょっと感覚的す
ぎる言い方だけど。蓮實っぽい?
「クモさま」は、声を聞いても誰か分からなかった。ずいぶ
ん巧いな、誰かなと思ってたら、田中裕子である。さっす
がー。

                                                        7.26(火)  STV

2011年7月27日水曜日

海がきこえる

☆☆★★★    望月智充    1993年

おとなっぽい女の子って、まあ、いたよね。
「都会からの転校生」こそ居なかったけど。
でもこのヒロインには「萌えない」なー。

高校のとき、ある同級生(男)が、この映画が好きで
たまらんという話をしていたのを覚えているが、ずい
ぶんシブい趣味してるな。
あんまおもしろくなかったぞ。

                                                        7.24(日)  STV

2011年7月20日水曜日

静かな爆弾

吉田修一 著     中公文庫

札幌からの帰りに一気読み。
試験勉強でしばらく小説を読んでなかったので、小説の文体が
ちょうど運動の後に飲み干すポカリスエットのように、……うそ、
運動なんか全くしてないわ、正しくは「仕事後のサッポロクラシッ
クのように」五臓六腑にしみた。
こういうときは「ちゃんとした小説」であるだけでよくて、それ以上
は望まない。本作は吉田修一の作品としては「別に普通」だと思
うが、読むのは無性に楽しかった。耳の聞こえない「響子」という
キャラはとてもよく書けているし、主人公がテレビ・ドキュメンタリ
ーのディレクターというのもおもしろい。ただ、話がどうも、これと
いって新しさが感じられない気がした。
「押しとどめることのできない暴力」を描いてきた作家だと思うの
だけど、本作は文字通り「無音の世界」での事件が物語の核に
なっている。どうしてもインパクトという意味では弱くなりますな。
いまだに『パレード』がいちばん好き。

2011年7月14日木曜日

疲れすぎて眠れぬ夜のために

内田樹 著      角川文庫

家族というもの、身体というもの、社会というもの、知識という
のものについて、読んだ感じはけっこう極論を言ってるような
気がするんだけど、極論を極論と思わせない語り口のうまさ
なのか何なのかがあって、「うーむ、もっともかもしれない」と
思わされる。その連続。あまりに分かり易いので、かえって
警戒してしまうのだが、もうしばらく読んでみようと思います。
本書もおもしろかった。

2011年7月13日水曜日

魔女の宅急便

☆☆☆★★★       宮崎駿     1989年

最近、傑作と駄作を交互に観てるような気がする。どれが
どれとは言わないが…って分かるけど。
これも「途中から」なら何度も観てるけど、最初から最後ま
で観たのは、いつ以来だろう。たぶん6,7年ぶり。こっそり
言うけど、初めての仕事で黒猫の人形を配達するのはすっ
かり忘れていた。
しかしトンボは粘り強いな。あれだけ冷たくされたら諦める
よ、おれだったら。ちなみに↓STVというのが、北海道の
日テレ系の民放です。

                               7.9(土)  STV

2011年7月10日日曜日

さや侍

☆☆★★       松本人志      2011年

平日休みだったので観に行ったら、また客ひとりだったぜ!
釧路は油断するとすぐこうだからな。17万の人口に映画館
ひとつなのに、なぜなんだ…。
ひとりで王様みたいな格好で観るのも愉快だけど、映画は
やっぱ「満員の劇場で、真ん中後ろ目の良い席で、自分の
両隣だけ空いてる」というのが理想である。小林信彦はハリ
ウッドの大作映画は、新宿ミラノ(だったかな)の巨大空間で、
大勢と一緒に観ることに決めてるらしいけど、いつもガラガラ
の劇場でばかり観ていると、たまにそういう状態がなつかしく
なる。つくづく人間って無いものねだりだね。
しかし、まわりの反応も含めて映画である、というのは確かで、
去年ベスト1に選んだ『川の底からこんにちは』はユーロスペー
スで公開初日に観たのだけど、映画自体がおもしろかったの
は確かであるにしても、観客みんなが遠慮会釈なしの爆笑で、
なんだかその空間自体がとても嬉しい感じのものだったわけ
で。映画の内容とともに、その爆笑の渦であった劇場内の記
憶もセットであるわけで。だから、あまりDVDを借りて観る気に
いまの所ならないわけだが、まあ何が言いたいかというと、こ
の「さや侍」なのだが、これは劇場でぽつんと独りで観る映画
じゃなかったな、ということだね、まず気付いたのは。喜劇なん
で、まあ、たまに笑うわけですが、「ハハハ」という乾いた笑い
が誰も居ない劇場の壁に吸い込まれていくんだね。こういう観
られ方は松ちゃんも想定してないんじゃなかろうか。
それで肝心の中身だけど、やっぱりクスクス笑いの域を出ない
のである。トークと映画はそりゃあ違うだろうけど、なんだか松
ちゃんが作ったにしては、おとなしい気がしてしまう。トークにお
けるその天才ぶりをよーく知ってるがゆえに。

                               7.8(金) ワーナーマイカルシネマズ釧路

2011年7月9日土曜日

もののけ姫

☆☆☆☆       宮崎駿     1997年

いつも途中から観ることが多かったので、じっくり最初から
最後まで観たのは実に久しぶり。ひとつひとつのカットとし
て見ても、驚くほどアイディアに満ちていて、思わず何度も
巻き戻して見てしまうほど…ってみんな知ってるっつーの。
素晴らしいよ、なんでこんな話つくれる?
こっそり言うけど、アシタカが村を出ることになる経緯なん
かはすっかり忘れていた。そして、カヤの健気さに悶絶。
「私もだ。いつもカヤを想おう」
アシタカの兄貴、シビれるぜ。なんてカッコいいんだ。

                                                    7.6(水)  STV

2011年7月5日火曜日

SUPER 8

☆☆★★      J・J・エイブラムス    2011年

凡作。

宣伝のわりに、本気で「おもしろい!」と言ってる批評が
あまり無かったので、イヤな予感はしていたが、的中。


                               7.3(日) ワーナーマイカルシネマズ釧路

2011年7月1日金曜日

中間発表

えー早いもので、今年も半分が過ぎ去っていきました。
大変に大きな出来事もあった今年上半期でしたが、そういう世相と
はまったく関係なく、私の映画鑑賞ライフがどうだったのかというの
を、これから呑気に振り返っていきたいと思います。
いわば「中間発表」です。ゆきりんが躍進し、ともちんが神セブンか
ら陥落した中間発表です。そういえばあの選挙、中間発表からあま
り変わらなかったんだね。

まずは本数です。
現在……39本!

出遅れております。非常に「ヤバい」ペースといっていいです。こん
なペースでほんとに100本観れるのでしょうか。誰も気になってない
でしょうけど、私は気になっています。

現時点でのベスト作品

<2011年公開>
ソーシャル・ネットワーク   デヴィッド・フィンチャー
☆☆☆★★★

<旧作>
仁義なき戦い 代理戦争   深作欣二   1973年
☆☆☆★★★

※二度、三度と観ている作品は、ベスト作品の対象から除外されます。「東京物語」
「二十四の瞳」なんかは、既に素晴らしいことが分かっているので、対象外です。

[講評]
仁義なき戦いは、ぜひ色んなひとに観てもらいたいねー。もちろん「全然
わかんない」という方もおられるでしょうが、「ゴッドファーザー」が単なるマ
フィア映画でないように、仁義なき戦いも単なるヤクザ映画じゃないので
す。映画というジャンルの「おいしいところ」がみっしり詰まっていると確信
しています。
さて、2011年下半期、これらを凌駕する作品に私は出会えるのか。そして、
マゾヒスティックに自らに課して悦んでいる年間100本のノルマは今年も達
成できるのか。誰も注目していない闘いは、いまも続いているのです。