2010年8月30日月曜日

3-4×10月

☆☆☆★★             北野武   1990年

たけしの監督2作目であり、これまた秀作。
草野球チームに属する主人公(柳ユーレイ)が、勤務先のガソリ
ンスタンドでヤクザに脅かされる、というストーリーはあれど、
そんなのは別に重要ではない。目新しい話の筋でもないし、セリ
フは極端に少ないし、有名な役者が出ているわけでもない、なの
になぜこんな面白いのか、と不思議がっているうちに終わってし
まうような映画。
たけしは中盤の沖縄のシーンになってようやく登場。そこから映
画の崩壊と狂気がグレードアップする感がある。女の頭をハタき
続けるたけしが怖い&カッコいい。
若きトヨエツのヤクザと、同じく相当に若い石田ゆり子が秀逸。

8.19 (木) DVD

2010年8月28日土曜日

SHADY GROVE

☆☆☆★★             青山真治   1999年

私は続けて観たので知っているが、「ソナチネ」と「SHADY GROVE」
の共通点を挙げられる人はそうは居ないだろう。
正解は「どちらも矢島健一が出ている」である。そうだっけ?と思った人
は確認してみて欲しい。
どうでもいいことだが、本作を観ながら、「この人電車で旅をするのが仕
事の関口知宏に似てるなー。瓜二つとはこのことだ」と思ってたら、ほ
んとに関口知宏が出ているだけだった。俳優なんだね。
その関口と話すときのヒロイン(ストーカー風)と、ARATAと話すときの
ヒロイン(物静かで繊細なひと)が、まったく別人格のように描かれてい
るのに興味を覚える。他人のことなんて、見ようによっては両極端にも
なり得るもんさ、と言いたいのかもしれない。
                             8.18 (水) DVD



ソナチネ

☆☆☆☆              北野武   1993年


東京のヤクザ達が沖縄でやることもなくただ暇をもて余す、という
内容にまず驚く。しかし画面の中のヤクザ達とは逆に、観ている
こちらは一瞬たりとも退屈しない。傑作というに相応しい鮮やかな
ショットの連続にただただ茫然とする。
修学旅行のようにバスに詰め込まれて移動するヤクザ。ロシアン
ルーレット。砂浜での相撲。人間トントン相撲。勝村政信は沖縄の
あんちゃんにしか見えない。そして、巧くやらないとわざとらしくな
りそうな女(国舞亜矢)の登場とヤクザ達との交流。だがめちゃく
ちゃ巧いので気にならない。


                             8.17 (火) DVD





2010年8月23日月曜日

はじめに

このブログの性質については、これからおいおい説明を加えて
いくことになろうと思うが、まず簡単に紹介するならば、これは
私が観た映画、読んだ本、聴いている音楽、そしてたまには鑑
賞した芝居や視聴したテレビ番組を、ただ羅列するだけのブロ
グになると思う。そこに感想が付けば良い方だ、と考えていた
だきたい。

ただ、映画については、必ず点数を付けることにする。
点数の付け方は、私の愛読するモルモット吉田さんのブログに
準ずる。もっとも、これはもともと、最近亡くなった映画評論家の
双葉十三郎さんの採点方式らしいが。
その採点方式は、☆が20点、★が5点として表示する。
たとえば「☆☆☆★★」だと何点になるか、お分かりか。
……そう、「70点」である。ちなみに70点は、なかなかの秀作を
意味すると思っていただいて良い。80点(☆☆☆☆)以上が出
ることは、年に何度も無い。
なぜそんな点数設定なのかと訊かれても困る。モルモット吉田
さんがそうしてるから、としか答えようがないから。
60点(☆☆☆)は「フツーの出来」で、良くも悪くもないぐらい。
それ以下だとつまらなかった、となる。

前置きはこれぐらいにしておこう。