2017年5月17日水曜日

マリー・アントワネット


☆☆☆★   ソフィア・コッポラ   2007年

毀誉褒貶あるようだが、私は単純に楽しく観られた。
アメリカン・ポップスに彩られ、なぜか英語を話す
マリー・アントワネット。『ラストエンペラー』で
慣れっことはいえ、いったいどういう心持ちでこの
オーストリアから嫁いで来たフランス王妃に「今回
は英語を喋ってもらおう」と決断するのだろう。そ
こに葛藤は少しでもあるのだろうか。いや、少しで
もあるんならいいんだけど。
キルステン・ダンスト、かわいいですね。単なるわ
がままな王妃でもなく、単なるバカ王妃でもない感
じにちゃんとなっているのは、このひとの演技によ
る部分も多かろう。

                                               4.29(土) BS日テレ


2017年5月15日月曜日

読書⑥


『村上春樹 翻訳(ほとんど)全仕事』
村上春樹 著   中央公論新社

村上春樹が手がけてきた翻訳の本、翻訳のやり方、
翻訳という営為の位置づけ、翻訳への思い、など
などを語りまくっている。「横のものを縦にする」
のが単純にたのしい、という春樹のさまがとても
よく伝わってくる。

私もいちおう村上主義者のはしくれとして、春樹
の翻訳したものは8割ぐらい読んでいると思う。
だがひるがえって考えても「名訳」と心底から思
うようなものは、実は思い当たらない。春樹はや
はり海外文学のすぐれた紹介者であると思う。
フィッツジェラルド、チャンドラー、カポーティ、
サリンジャー、アーヴィング、ヴォネガット、そ
してもちろん、カーヴァー。もし村上主義者でな
かったなら、私はこれらの作家に出会えていただ
ろうか。(この中でヴォネガットだけは訳してな
いですね)








『みみずくは黄昏に飛び立つ』
川上未映子 訊く 村上春樹 語る

こちらは以前"MONKEY"に載ったインタビューの続き、
というか大幅な増補というべきか。しかしただのインタ
ビューでは「あらない」。『職業としての小説家』と同
じ内容を話している部分も多いのだが、こちらは話し言
葉なのもあり、また違った率直さが感じられる。

春樹が過去の作品のことを「よく覚えてない」と連発す
るので、大部分は最新作『騎士団長殺し』に関したもの
となっている。それどころか副題になっている「イデア」
のことも、本当のところよく知らないし調べてもいない、
プラトンも別に読んでないと言って、川上さんを絶句さ
せている。でもインタビュアーとしての川上さんは勘が
良いと思う。春樹もいたく気に入っているようですし。

このあとは『卵を産めない郭公』を読まなければ。まだ
『プレイバック』も読んでいないのに。はあ。








2017年5月11日木曜日

【LIVE!】 森山直太朗


15thアニバーサリーツアー「絶対、大丈夫」

 1. 嗚呼
 2. 魂、それはあいつからの贈り物
 3. 夕暮れの代弁者

 4. 太陽
 5. 風花
 6. フォークは僕に優しく語りかけてくる友達
 7. 夏の終わり
 8. うんこ
 9. どうしてそのシャツ選んだの
10. 生きてることがつらいなら
11. とは
12. 金色の空

13. 星屑のセレナーデ
14. 電車から見たマンションのベランダに干してあったピンク色のシャツ
15. 坂の途中の病院
16. 今が人生
17. 君は五番目の季節
18. どこもかしこも駐車場
19. さくら (独唱)

<Encore>
 1. 12月
 2. 絶対、大丈夫(新曲)

                                        4.27(木) 中野サンプラザ

だいぶ久しぶりにみた直太朗は、やはりあいかわら
ずだった。軽快なフットワークと軽薄なトーク、心
地よい歌唱力で、歌詞がよく聞き取れるので知らな
い曲でも楽しめる。近年、直太朗はまじめに勉強し
ていないので知らない曲も増えてきた。でも一方で、
「夕暮れの代弁者」「坂の途中の病院」「12月」な
どの私が直太朗のラジオを熱心に聞いていた頃の曲
をやられると、たちまちまっすぐに胸に飛び込んで
きて困ってしまう。懐かしい。

ベストアクトは「どこもかしこも駐車場」。良い曲
だな、と素直に思う。「坂の途中の病院」のクレイ
ジーな感じも捨てがたいけれど。

2017年5月9日火曜日

新世紀エヴァンゲリオン劇場版 Air/まごころを、君に


☆☆☆★    庵野秀明    1997年

観てはじめて知ったけど、こちらがほんとうにTVシリー
ズの25話と26話を作り直したものということらしい。
25話が「Air」、26話が「まごころを、君に」。
地球を綾波が包み込んでいる有名なカットや、ミサトの
「大人のキスよ」の名セリフなどは、TVシリーズには無
く、こちらに含まれている。

冒頭の病室でのシンジには、「え、シンジってそんな奴
だったっけ…」という違和感がぬぐえないし、ラスト、
ファンをも突き放し、観ている者すべてを拒絶するよう
なアスカの終幕のセリフに(知っていたけど)衝撃を受
ける。

                                            4.24(月) BSプレミアム


2017年5月3日水曜日

ランブルフィッシュ


☆☆☆★★    F. F. コッポラ    1983年

暴力に生きる、むしろ暴力にしか生きられない若者たち
を、どちらかが死ぬまで闘いをやめない"闘魚"になぞら
えた青春映画。83年のコッポラにしてはえらく若いフィ
ルムである。『ゴッドファーザー』のような超大作のあ
とにこういう学生映画の小品のようなものを撮るひとは、
ハリウッドには珍しいのではないか。

モノクロの画面の中、ミッキー・ロークだけがモノロー
グのようにボソボソと響きのない声を発するのがカッコ
いい。音楽はスチュアート・コープランド。クールであ
る。

水槽の魚を川に逃がして海にかえすというモチーフは、
『アカルイミライ』を思わせないこともない。ま、黒沢
清は別に意識してないとは思うが。

                                               4.22(土) BSプレミアム


2017年5月1日月曜日

ブルース・ブラザーズ


☆☆☆★    ジョン・ランディス   1980年

ブラックミュージックにいろどられた、「おかしな二人組」
による珍道中といったところで、マフィアものなんかをパ
ロディにしながら笑わせてくれる。

JBやレイ・チャールズは顔知ってるから分かったが、アレ
サ・フランクリンやチャカ・カーンも出てたのね。

                                                    4.15(土) BSプレミアム


2017年4月27日木曜日

EVANGELION : DEATH(TRUE)2


☆☆☆       摩砂雪      1998年

アニメ版の最後の方があのようなことになってしまった
ので、劇場版であらためて描き直され…というような説
明を時折目にしてはいた。「あのようなこと」がずっと
分からずにいたのだが、このたびBSプレミアムの再放送
のおかげで26話すべてを観ることができ、「あー、なる
ほどねぇ…」と得心がいった。

これはいわゆる総集編のようなものと考えていいのだろ
うか。テレビ版をいちど解体して、スタイリッシュに再
構築したような作品になっている。なんだろう、おもし
ろいと言えなくもないが、特に血がたぎるようなことは
ない。

                                         4.10(月) BSプレミアム