2018年4月7日土曜日

ジョーのあした

   ー辰吉丈一郎との20年ー


☆☆☆      阪本順治     2016年

辰吉丈一郎は予想に反して「言葉のひと」であった。

阪本順治との長い付き合いのなかで、年に1度ぐらいの
インタビューを時系列に並べたものと、その時辰吉の
置かれていた状況の簡潔な説明とで構成されている。

このインタビューがなかなかおもしろい。決して雄弁
という印象ではないが、時おり言葉を探しながらも、
誠実に、ユーモアと信条を絶妙にブレンドさせた力強
い言葉が発せられる。

辰吉は2016年時点、44歳となった現在でも「引退す
る理由がない」ということで、日々練習を続けている。

                                                    4.4(水) BS日テレ


2018年4月1日日曜日

山の音


☆☆☆      成瀬巳喜男       1954年

川端康成原作、原節子主演、成瀬巳喜男監督。
原節子が、夫(上原謙)の不貞がなかば公然とまかり
通っている家庭で、やさしい義父(山村聰)だけを心
のよりどころに、しかし耐え切れずに壊れていく過程
を丹念に描いている。
原節子の喋り方ってあんなに吐息多めだったっけ。
なんかあの喋り方のせいで苦悩がいまいち伝わってこ
なかった。

記録映像として見ても十分おもしろい。60年前の鎌倉
駅前、そして神宮外苑の銀杏並木を見ることができる。
車道が無い!

しかしいったい何が「山の音」だったのやら。それら
しき山も音も登場しない。

                                           3.25(日) BSプレミアム


2018年3月26日月曜日

【LIVE!】 THE BACK HORN


KYO-MEIワンマンライブ ~情景泥棒~

1. がんじがらめ
2. 真夜中のライオン
3. 孤独を繋いで

4. その先へ
5. 雷電
6. 生命線
7. 8月の秘密
8. 情景泥棒
9. 情景泥棒 ~時空オデッセイ~
10. 光の螺旋
11. ヘッドフォンチルドレン
12. 未来

13. 儚き獣たち
14. 導火線
15. シンフォニア
16. コバルトブルー
17. Running Away

(Encore)
1. 閃光
2. グローリア
3. 無限の荒野

                                 3.20(火) ZEPP TOKYO

ミニアルバム「情景泥棒」をひっさげてのツアー。
基本的に対バンだが、東京と大阪だけワンマン。
アルバムの出来は上々である。快作。このバンドの
こういう「裏切らない新機軸」が好きだ。

あいかわらずセットリストを組むのもうまい。
ひさびさの「雷電」が嬉しいし、「8月の秘密」を
聴くのは初めてじゃないかと思う。私が行けなかっ
た年のマニアックヘブンでやっていた。

ベストアクトは「未来」。
重心の低い、タイトな音の構成が頼もしく、ここち
よい。サビまでは抑えたヴォーカルが、サビで急激
に熱を帯びるのがぐっとくる。意外にライブで映え
る曲なのだ。


2018年3月15日木曜日

陽のあたる坂道


☆☆☆     田坂具隆     1958年

2部構成、途中休憩を挟み、上映時間は3時間40分に
も及ぶ超大作映画。1958年は、日本人が最も映画を
観に行った年であり、まさに映画が娯楽の王様だった
時代だからこそ可能な映画だ。

石坂洋次郎の原作だし、「コクリコ坂から」みたいな
爽やかな青春映画かと思ったら、意外にも「華麗なる
一族」みたいな話だった。

『狂った果実』と同じ、石原裕次郎と北原三枝の主演。
北原三枝は、この家に家庭教師としてやって来るのだ
が、石原裕次郎は鼻持ちならない金持ちのひねくれた
息子を自然に(?)演じている。
とにかく長いので、飽きさせないよう工夫はされてい
るものの、それでもいかんせん長い。
「陽のあたる坂道」というタイトルも、いまひとつ意
味を摑みづらい。

                                             3.6(火) 新・文芸坐








<ツイート>
文春も朝日にのってきましたね。今度こそ奴の首を獲れ!




2018年3月11日日曜日

blue


☆☆★★★     安藤尋    2003年

市川実日子と小西真奈美がちょっと風変わりな高校生
を演じる。2人の間の風変わりな友情をめぐるストー
リーなのだが、淡々とした芝居でひたすら淡々と進ん
でいくので、全然眠気などなかったはずなのに、気づ
いたら寝てしまっていた。不覚。

今回は魚喃キリコという漫画家の作品が原作の映画の
2本立てである。どちらもたいへんイマイチだったの
は、偶然なのか原作者が合わないのか…。

                                           2.28(水) 早稲田松竹


2018年3月9日金曜日

南瓜とマヨネーズ


☆☆☆      冨永昌敬     2017年

なにも良いところなかったなー。という感想。
なんだか世評が高かっただけに、みんないったい
どこに感心したのか、訊いてみたい。

主演は臼田あさ美と太賀。監督は「ROLLING」の
冨永さん。「ROLLING」が良かったのはたまたま
か…。

                                    2.28(水) 早稲田松竹


2018年3月6日火曜日

羊の木


☆☆☆★★     吉田大八     2018年

舞台は富山にある架空の町、魚深市。
政府の極秘プロジェクトで、6人の殺人犯を市で受け入
れることになる、というところから話は始まる。受刑者
の刑期を短縮したうえで、人手不足の過疎の町に住まい
と職を与え、10年間生活するという条件で定住させて更
生をはかるというプロジェクトで、これも架空のもの。
……架空だと思う。
この魚深が、のろろ様という気色悪い神を祀ってきたと
いう設定で、年に一度、のろろ様が海から上陸街を練り
歩く間、住民はその姿を見ないように家に閉じこもる、
「のろろ祭り」なる変な祭りがある。
受刑者たちと「のろろ祭り」が共振することでカタスト
ロフが発生しそうになるのを、市役所の職員の錦戸くん
がどうにか食い止められるのか…。

観終わって、舌の上にざらっと嫌な味が残るような感じ。
そういうのは嫌いじゃない。

優香がエロい役を与えられていて、すごくしっくりきた。
我々はこれまで「優香をエロい役で起用する」という、
当たり前のことができていなかったのではないだろうか?
深く内省する必要があると思う。

                                    2.25(日) TOHOシネマズ新宿